ちなみに、「晤語(ごご)」とは「相対してうちとけて語ること」という意味です。

2016年12月5日月曜日

「講演会」のお知らせ

 連絡が遅くなってしまいましたが、12月の哲学カフェ「晤語の哲学」はお休みさせてもらいます。次回の開催については、また後日、ご連絡します。
 
 で、「その代わり」というわけでもないですが、12月13日(火)に、島根大学教育学部主催の特別講演会がありますので、よろしければ、ぜひそちらにご参加いただければと思います。

 この講演会は「晤語の哲学」の主催者が企画したもので、教育学部主催、島根大学国際交流センター、島根県日仏友好協会の共催とさせていただきました。
 講演者は、フランス人で、アメリカ在住の哲学者、フレデリック・セレール氏です。今回、日本で哲学関係のシンポジウムのために来日するのを機に、島根大学で講演していただけることになりました。

 講演のテーマは「多文化性とアイデンティティ」。
 ご自身の多文化的な出自を踏まえ、現代のヨーロッパの多文化的状況について哲学的に考察、分析していただける予定です。

 以下に、日時と場所を記しておきます。
 申込不要、入場無料ですので、ぜひお気軽にご参加ください。


  島根大学教育学部 主催
  島根大学国際交流センター・島根県日仏友好協会 共催

  特別講演会「多文化性とアイデンティティ」
  講師:フレデリック・セレール (シカゴ デポール大学)

  日時:2016年12月13日(火) 17時〜19時
  場所:島根大学松江キャンパス 教養講義棟1号館 202教室

ポスターも貼り付けておきます。ご参照ください。

         

2016年10月29日土曜日

11月のテーマを決めました。

お待たせしました! 次回の哲学カフェ「晤語の哲学」のテーマを決定しました。
日時も含めて、改めてご案内いたします。

日時:11月6日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
テーマ:「〈老い〉って何?」
参加費:無料
ファシリテータ:川瀬雅也(島根大学教育学部)
参加方法:当日、現地に集合。申し込み不要。
問い合せ先:0852-32-6284(直通) 島根大学教育学部 川瀬研究室
        kawase@edu.shimane-u.ac.jp

テーマについて:
 生物は、どのようなものでも成長していきます。「老い」もその成長の一段階だと考えることもできますが、しかし、「老い」と言った場合、いわゆる「右肩上がり」的なイメージよりは、むしろ、「右肩下がり」的なイメージ、あるいは、ピークを過ぎて「終息」(「終息」は「息(生き)の終わり」と書くことに改めて気づかされました)に向うイメージの方が強いでしょう。そうした意味で、どこか「寂しさ」が漂うような気もします。
 しかし、逆に、どこまでも行っても「右肩上がり」というのは、これはこれで不自然なことです。山があれば谷があるのが自然なように、上り坂があれば下り坂があるのであって、「終息」など意識しなくても、いわば「自然体」で「老い」を生きればいいようにも思えます。
 さらに、「老い」そのものにもある種の「力」が宿ると考えることもできます。「若さ」は確かに「力」には違いありませんが、それはいわば「潜在力/可能力」であって、まだまだ未熟で、粗削りで、無鉄砲で、方向が定まらず、ある種の暴力性すらも備えています。それに対して、「老い」のうちには「現実的な力」が宿っているように思えます。それは成熟したものだけが持つ「静かな力」であり、定まった方向を持ちつつも、あらゆるものを包摂してくれる「包容力」です。「老い」にいたるまでの経験の蓄積がそうした実質的な力、「底力」を生み出しているのでしょう。
 しかし、とは言いつつも、現実には、体力、精神力はどうしても落ちてきます。目が見えにくくなり、俊敏性が失われ、持続力が落ち、物忘れが多くなり、集中力も鈍ってきます。今や、「65歳以上の高齢者」(65歳は高齢者でしょうか?)は人口の四分の一を越えました。今後ますます〈「老い」をいかに生きるか〉が社会問題となるなかで、改めて「老い」について考えてみたいと思います。


2016年10月20日木曜日

次回開催日のお知らせ

 次回の哲学カフェ「晤語の哲学」は以下の日程で開催します。
 テーマについては決まり次第、お伝えいたします。

日時:11月6日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)

2016年9月29日木曜日

10月の哲学カフェ「晤語の哲学」のご案内

 次回の哲学カフェ「晤語の哲学」についてご案内いたします。

 なお、毎回、初めて参加の方も数名ずつ来られています。ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度「試し」に参加してみてください。

 また、左の「メールで更新内容を受けとる」にメールアドレスを入れたけど、更新内容が送られて来ないという方、アドレス送信後に送られてくるメールのリンクをクリックすることで、初めてアドレスが登録されますので、そこまでの手続きをお願いいたします。

 では、次回の案内です。

日時:10月15日(土) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
テーマ:「ふるさとって何?」
参加費:無料
ファシリテータ:川瀬雅也(島根大学教育学部)
参加方法:当日、現地に集合。申し込み不要。
問い合せ先:0852-32-6284(直通) 島根大学教育学部 川瀬研究室
        kawase@edu.shimane-u.ac.jp
 

テーマについて:
 「ふるさと」って何でしょう。「ふるさと」は「古里」「故郷」「古郷」などの漢字で表されますが、いずれも「自分が生まれた土地」「自分の出身地」、あるいは「自分が帰るべき場所」などという意味を持つ言葉でしょう。しかし同時に、「心のふるさと」などということもよく言います。これは必ずしも自分の出身地でなくても、心理的な面で自分の原点になったり、何か懐かしさや安心感を感じさせてくれる場所について使われるように思います。
 「ふるさと」の単なる語義ではなくて、「人間的意味」について考えようとするならば、「心のふるさと」などといわれる場合の「ふるさと」の意味を考えることが有効かもしれません。上で「懐かしさ」「安心感」などと書きましたが、「ふるさと」というのは、しばしば、これらの心理的状態に密接に結びついているように思います。他にも「ぬくもり」「優しさ」「親しみ」などの言葉が連想されるでしょう。「ふるさと」とは、誰をも無条件で受け入れ、抱きしめ、慈しみ、なぐさめ、迎え入れてくれる場所なのでしょう。
 「ふるさと」がしばしば、象徴的な意味での「母」(「実際の母」ではなくて)を連想させるのも、上のような「ふるさと」のイメージに由来するように思います。象徴的な意味での「母」は、さらに「祖父母」に、そして、先祖に結びつき、最終的には、「自分という存在の起源・根拠」のようなものにまで連なっているのでしょう。「ふるさと」というのは、少し大げさに、そして抽象的に言うと、「私という存在がよって立つ大地」なのかもしれません。
 今、「地方創生」が叫ばれています。が、その前に、「人間が生きること」にとっての「ふるさと」の意味を改めて考え直してみるのもいいかもしれません。

2016年8月18日木曜日

9月のテーマを決定しました!

 次回、9月の哲学カフェ「晤語の哲学」のテーマを決定しました。
 再度、期日や場所等も合わせてご案内いたします。


日時:9月11日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
テーマ:「〈いいかげん〉って何?」
参加費:無料
ファシリテータ:川瀬雅也(島根大学教育学部)
参加方法:当日、現地に集合。申し込み不要。
問い合せ先:0852-32-6284(直通) 島根大学教育学部 川瀬研究室
        kawase@edu.shimane-u.ac.jp

テーマについて:
 今回のテーマは「いいかげん」です。「いいかげん」という言葉は不思議な言葉で、「イイカゲンなことを言う」という場合には悪い意味になりますが、「イイカゲンに焼き上がる」となるとよい意味になります。同じ言葉が「なおざり」という意味と「ちょうどよい具合」という意味との反対の意味をもつのです。
 なぜ、同じ言葉がこのような相反する意味を持つようになったのでしょうか。語源を調べれば何か分かるかもしれませんが、ここでは、相反する二つの意味を持つ「いいかげん」という言葉の微妙なニュアンスについて考えることで、「人生の機微」のようなものを感じ取れたらいいなぁ、などと考えています。
 ところで、いままで「いいかげん」が二つの相反する意味を持つと言ってきましたが、問題は、はたしてこの二つの意味は相反するのかどうか、ということです。一見すると、「ちょうどよい具合」と「なおざり」とは相入れないように見えますが、しかし、あまりにも厳密にピッタリ調整しようとすると、その「ピッタリ」は針の先のようなもので、いつまでたっても「ピッタリ」に合わせることができず、むしろ、ちょっと「いいかげん」に、「ゆるく」考えたほうが、「ちょうどよい具合」に容易に達するような気もするのです。そう考えると、「いいかげん」の二つの意味は必ずしも反対ではないのでしょう。
 しかし、それでもやはり、あまりにも「ゆるく」してしまうと、「好い加減」だったものがただの「いいかげん」に変わってしまうのですから、やはりこの調整には難しさがあるのでしょう。厳密すぎず、かといってゆるすぎない「いいかげん」って、どんな具合なんでしょうか。そんな生き方をしてみたいのですが・・・。

2016年7月21日木曜日

次回開催日のお知らせ

 哲学カフェ「晤語の哲学」の次回開催日をお知らせします。
 来月(8月)は、会場の都合や主催者の都合等でお休みとさせていただきます。ですので、次回は9月に、以下のような日程で開催いたします。

日時:9月11日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)

なお、テーマについては決定しだい、またご連絡いたします。

2016年6月24日金曜日

7月の「晤語の哲学」のテーマ

 7月の「晤語の哲学」のテーマを決めました。日時等と合わせて、再度、ご案内いたします。
 なお、前回の記事に書いたように、次回は、時間を午後4時〜6時にずらし、「晤語の哲学」のあと、懇親会を開催したいと思います。「晤語の哲学」への参加申し込みは不要ですが、懇親会は会場予約のため、参加希望の方はその旨、ご連絡いただきたいと思います。下記に再度詳細を記しておきます。

7月の「晤語の哲学」の開催日時・場所
 日時:7月9日(土) 午後4時〜6時いつもと時間が変わります。
 場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
    (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
 テーマ:「お金って何?」
 参加費:無料
 ファシリテータ:川瀬雅也(島根大学教育学部)
 参加方法:当日、現地に集合。申し込み不要。
 問い合せ先:0852-32-6284(直通) 島根大学教育学部 川瀬研究室
         kawase@edu.shimane-u.ac.jp

「晤語の哲学」懇親会
 日時:7月9日(土) 午後6時30分頃〜(「晤語の哲学」終了後)
 場所:島根大学近隣(お店は未定)
 (飲食代がかかります。学生は配慮します。)

懇親会に参加希望の方は7月2日(土)までに川瀬までご連絡ください。
電話:0852-32-6284(留守番電話あり)
 (留守番電話に入れる場合はお名前と電話番号をお知らせください。)
メール:kawase@edu.shimane-u.ac.jp

テーマについて:
 今回のテーマは「お金」です。ふつう「お金」は経済のテーマだと考えられるでしょうが、ここでは、お金の「人間的意味」とでもいうものについて考えてみたいと思います。
 といっても、経済学でお金がどのように規定されているかも、十分に参考になるでしょう。一般に貨幣は「価値尺度」「交換手段」「価値貯蔵手段」といった機能をもつとされます。つまり、貨幣は、物の価値をはかったり、物と物の交換を媒介したり、消耗してしまう物に代わって価値を蓄積したりする機能をもつと考えられています。
 一方、お金の「人間的意味」について考えるには、お金にまつわることわざを考えるといいかもしれません。「時は金なり」「金の切れ目が縁の切れ目」「地獄の沙汰も金次第」「金は天下の回り物」「金持ち喧嘩せず」「辛抱する木に金がなる」「安物買いの銭失い」「猫に小判」などなど、お金にまつわることわざはたくさん見つけられます。
 これらのことわざの中で、お金は、「価値あるもの・大切なものの象徴」、「豊かさの象徴」、「取り引きや問題解決の手段」、「人に努力・辛抱を促すもの」などを意味しているように思われます。その意味では、やはり貨幣の経済的意味をより「比喩的」に表現していると言えるかもしれません。
 しかし、よく見てみると、これらのことわざのなかには、「お金」という言葉を使いつつも、「お金では買えないもの」、「お金では代わりを果たせないもの」の価値を言い表そうとしているものもあるように思われます。
 お金は、一方で、価値や豊かさの象徴であると同時に、他方では、真の価値を覆い隠してしまうもの、ある種の「偽物」の象徴にもなっているのでしょう。お金の「人間的意味」には、こうした逆説的なところがあるように思われます。
 いくら経済が重要だからといって、「お金のことしか頭にない」というのはちょっと寂しい話ですが、しかし、現代社会を生きる者にとって、「お金のことを考えない」というのは無理な話でもあります。そこで、改めて、〈現代社会で生きること〉にとってお金がどのような「人間的意味」を持つのかを考えてみたいと思います。

2016年6月19日日曜日

7月の開催日および懇親会について

7月の「晤語の哲学」の開催日をお知らせします。(テーマは後日お知らせします。)
7月は時間をズラして開催し、「晤語の哲学」のあと、近場で懇親会を開催することといたしました。
「晤語の哲学」に関しては参加申し込みは不要ですが、懇親会については参加人数把握のため、参加の申し込みをお願いしたいと思います。
懇親会に参加希望の方は、下記の要領でお知らせいただきますようお願いいたします。
なお、本日の「晤語の哲学」で懇親会についてお伝えしたところ、現時点で10名の方の参加が予定されています。
もちろん、「晤語の哲学」のみの参加でも構いませんし、また、懇親会のみの参加でもいっこうに構いません。

7月の「晤語の哲学」の開催日時・場所
 日時:7月9日(土) 16時〜18時(いつもと時間が変わります。)
 場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
    (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)

「晤語の哲学」懇親会
 日時:7月9日(土) 18時30分頃〜(「晤語の哲学」終了後)
 場所:島根大学近隣(お店は未定)
 (飲食代がかかります。学生は配慮します。)

懇親会に参加希望の方は7月2日(土)までに川瀬までご連絡ください。
電話:0852-32-6284(留守番電話あり)
 (留守番電話に入れる場合はお名前と電話番号をお知らせください。)
メール:kawase@edu.shimane-u.ac.jp

普段の「晤語の哲学」では、なかなか参加者どうしでじっくりとお話しする時間が持てませんので、ぜひ、懇親会に参加していただき、お互いに親睦を深めていただけたらと思います。

2016年6月4日土曜日

6月のテーマ決定!

 次回の哲学カフェ「晤語の哲学」のテーマを決定しました。日時も含めて、改めて詳細をお知らせいたします。

日時:6月19日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
テーマ:「〈感情を言葉にする〉ってどういうことか?」
参加費:無料
ファシリテータ:川瀬雅也(島根大学教育学部)
参加方法:当日、現地に集合。申し込み不要。
問い合せ先:0852-32-6284(直通) 島根大学教育学部 川瀬研究室
        kawase@edu.shimane-u.ac.jp


テーマについて:
 ある一定の年齢以上の、しかも、特に男性にとっては、愛情を言葉で語ることほど「ばつの悪い」ものはないでしょう。男は「言わなくても分かってるだろ」と腹の底で思い、女は「いいえ、言ってくれなきゃ分からないわ」と腹を立ててみせる、なんていうのはよくあるステレオタイプです。でも、このとき、女は(もちろん、じっさいは女だけとはかぎらないのですが)いったい何を望んでいるのでしょうか。女は、本当に、〈言葉にしなければ感情を理解できない〉というわけではないでしょう。男の愛情はよく分かってるけど、それでも言葉が欲しいのです。いったい感情だけでは、何が足りないというのでしょうか。
 一方、「言葉では言いあらわせない感情」などということもよく言います。あまりにも悲惨な事件や出来事について感想を求められた人が、マイクに向かって、「なんて言ったらいいのか、言葉がありません」とうつむく姿をよく目にします。この人にとっては、感情の激しさに言葉がついていかないのでしょう。感情の激流を言葉という狭い水路に導くことなどおよそできないのです。感情というものは、大きければ大きいほど、言葉のうちには納まりきらないものなのでしょう。
 しかし、それならば、「女」が「男」に〈愛情を言葉にしろ〉などと言うのは矛盾した話ではないでしょうか。愛が深ければ深いほど、それは言葉という小さな枠組みにはとても納まりきらないのですから。でも、おそらく、女だってバカではありませんから(いや、しばしば男より女の方が「賢い」ですから)、深い愛情が言葉をあふれ出ることぐらい知っているでしょう。それでもなお女は「言葉」を欲しがるのです。
 さてはて、いったい〈感情を言葉にする〉ってどういうことなのでしょうか?

2016年5月20日金曜日

6月の開催日について

 次回、6月の開催日を予告しておきます。次回は日曜開催です。

日時:6月19日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)

 なお、テーマについては、後日、お知らせします。


2016年5月2日月曜日

松江での哲学カフェのお知らせ

 「晤語の哲学」ではないですが、5月7日(土)に松江市のスティックビルで哲学カフェが開催されるとの案内をいただきましたので、この場で紹介いたします。詳細については、チラシをご覧ください。ご興味をお持ちの方はどうぞお出かけ下さい。



2016年4月28日木曜日

5月の「晤語の哲学」のご案内

 次回の「晤語の哲学」のテーマが決定しましたので、改めて、開催日も含めてご案内します。
 なお、次回は、島根大学教育学部の丸橋静香准教授(教育哲学)がファシリテータを務めます。


日時:5月14日(土) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
テーマ:「責任とは何か」
参加費:無料
ファシリテータ:丸橋静香(島根大学教育学部)
参加方法:当日、現地に集合。申し込み不要。
問い合せ先:0852-32-6284(直通) 島根大学教育学部 川瀬研究室
        kawase@edu.shimane-u.ac.jp


テーマについて:
 私たちは「責任」というものを大事なものだと考えています。子育てや教育では「責任ある態度」や「責任感」がその目標に据えられます。会社や学校には「説明責任」や「企業の社会的責任」が求められます。一般市民には──たとえば環境問題と関連して──「将来世代に責任ある市民」であることが求められます。そして「無責任」は非難されます。
 それでは、その「責任」とは何を指しているのでしょうか。その意味は何なのでしょうか。何らかの事件・事故などネガティヴな出来事の原因になった人や会社などが、その責めを負うことでしょうか。あるいはそうした主体が引き起こすかもしれない(負の)出来事を予想し、その責めを引き受ける構えや覚悟のことでしょうか。つまり、原因となるかぎりで応答することが「責任」なのでしょうか。
 しかしながら、その一方で、私たちはある(負の)出来事に遭遇したとき、その原因に私が直接なっているわけではないけれど、そこに応答しなければ「気が済まない」「申し訳ない」といった感情を抱くことはないでしょうか。そしてそのとき「責任」という言葉が頭をよぎることはないでしょうか。
 このように、「責任」にはすこし考えただけでも多様な意味があります。対話を通じて、私たちが大事だと考えている(?)「責任」とはどういうものか考えていきたいと思います。

2016年4月14日木曜日

5月の開催日について

 4月の「晤語の哲学」は多くの方に集まっていただき盛況でした。
 対話の方も、「シェア(共有)」について広く深く考えを巡らせることができました。どうやら、シェアというのは、時代を貫いて、人間の本性に深く根付いたものらしいということは分かりかけてきたような気がしたのですが・・・、いかがでしょうか?

 さて、次回、5月の哲学カフェ「晤語の哲学」の開催日をお知らせしておきます。テーマについては、また後日お知らせします。

日時:5月14日(土) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)

次回は土曜日開催です。

中國新聞のコラム「緑地帯」の連載、明日から!

 哲学カフェ「晤語の哲学」の主催者の一人である川瀬雅也(島根大学教育学部)のコラムが、明日(4月15日)から中國新聞で連載されます。中國新聞文化欄の「緑地帯」というコラムで、「ときに哲学」というタイトルのもと、全8回の連載です。
 日常に転がっている出来事や、童謡の歌詞、童話などからちょっと哲学的に思索を広げてみたり、あるいは逆に、文学者、思想家、哲学者の言葉などをきっかけに日常の中にある哲学の芽を摘み取ってみたりする内容です。
 この「晤語の哲学」の趣旨やテーマにも沿うものだと思いますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
 今後、このコラムで展開したテーマを「晤語の哲学」のテーマとしても取り上げていきたいと思っています。

2016年3月25日金曜日

テーマ決定!(4月の晤語の哲学のご案内)

 次回、4月10日(日)の「晤語の哲学」のテーマを決定しました。今回はちょっとテーマの雰囲気を変えてみました。
 改めて、次回の開催についてご案内いたします。

日時:4月10日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
テーマ:「人はなぜシェア(共有)したがるのか?」
参加費:無料
参加方法:当日、現地に集合。申し込み不要。
問い合せ先:0852-32-6284(直通) 島根大学教育学部 川瀬研究室
        kawase@edu.shimane-u.ac.jp

テーマについて:
 最近、「シェアする」という言葉が流行です。特に、ネットの利用が一般的になってきて、多くの人で言葉や写真などを共有できるSNSが普及したことで、世代を問わず、みんながシェアに夢中です。なぜ、人はシェアしたがるのでしょうか?
 とりあえず原因と目的を考えることができるでしょう。もし、かつては人々がシェアに関心を持っていなかったというのなら、なぜシェアが望まれるようになったのか、と考えることができるでしょう。時代の変化でしょうか、心の変化でしょうか? 逆に、昔から人々はシェアを望んでいたというのなら、シェアすることは、何か〈人間の本質〉に関わることなのかもしれません。
 目的の方はどうでしょうか。人は何のためにシェアするのでしょうか。シェアしない状態から、シェアする(できる)状態に変わることで、人は何を得られるのでしょうか? 逆に、シェアできる状態からシェアできない状態に変わることで、人は何を失うのでしょうか? でも、そもそも「シェアする」ことは「手段」なのでしょうか? むしろ、「シェアする」こと自体が「目的」だということはないでしょうか? 人は、シェアするために、いろいろな手段を整えているのかもしれません。
 もちろん、シェアはネットでの情報のやり取りだけではありません。パブリック・ヴューイングなどというのも流行ですが、これも、例えば日本代表の試合をみんなで一緒に観て「感動」をシェアしたい人が多いから流行るのでしょう。ちょっと前は、映画を観ながら観客みんなで「歌う」なんていうことが流行ったりもしました。これも「シェア」の一種でしょうか。
 このように、私たちの身の回りのいろいろなところに「シェア」があるようですが、いったい、みんななんでこんなに「シェア」したがるのでしょうか?

2016年3月11日金曜日

4月の開催日について

 3月は「裏切りって何?」がテーマでした。愛憎入り乱れた白熱の議論になるか、とハラハラしてましたが、みなさん、裏切りを「裏切り」とも思わないような、寛容で優しい方たちで、罵声が飛び交うこともなく、穏便に対話がすすみ、安心しました。
 それはともかく、ファシリテータの力量不足もあるのでしょうが、今回はテーマとしてなかなか難しかったですね。「裏切り」という言葉に対する世代ごとの固定イメージの違いのようなものもあったのかもしれません。しかし、そうしたイメージの違いがあるということも、「裏切り」をテーマにしたからこそ浮かび上がったことだと言えるでしょう。

 さて、4月の哲学カフェ「晤語の哲学」の開催日をお知らせしておきます。テーマについては、また後日お知らせします。

日時:4月10日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)

次回は日曜日開催です。お間違えのないように。

2016年2月19日金曜日

テーマ決定!(3月の晤語の哲学のご案内)

 次回、3月5日(土)の「晤語の哲学」のテーマを決定しました。改めて、次回の開催についてご案内いたします。

日時:3月5日(土) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
テーマ:「裏切りって何?」
参加費:無料
参加方法:当日、現地に集合。申し込み不要。
問い合せ先:0852-32-6284(直通) 島根大学教育学部 川瀬研究室
        kawase@edu.shimane-u.ac.jp

テーマについて:
 「裏切り」はちょっと微妙なテーマのような気がします。そもそも、「裏切り」は「良い」ことなのでしょうか? 「悪い」ことなのでしょうか? それは一般的には良いことだとは思えませんが、しかし、だからといって悪いことだとも言い切れません。例えば、内部告発によって、社会の安全が保てるなら、自分の会社を「裏切って」告発したほうが「良い」ということもあるでしょう。では、「裏切り」は、どんなときに「良い」ことで、どんなときに「悪い」ことなのでしょうか。
 また、そもそもある同じ行為が、場合によって「裏切り」とされたり、されなかったりします。例えば、「部活をやめること」や「親の指示に従わないこと」など。こうした判断の違いの背景には何があるのでしょうか? また、「部活をやめること」や「親の指示に従わないこと」が「裏切り」だとされる場合、それはいったい「何を」裏切っているのでしょか? さらに、ある行為を「裏切り」だとする人は、そう言うことで何を望んでいるのでしょうか?
 また、「裏切り」に敏感な社会と、そうでない社会というのもあるような気がします。日本の社会、あるいは、日本人の精神性は、比較的「裏切り」に敏感なような気もします。個人主義の社会よりも、〈和〉を尊重する社会の方が「裏切り」に敏感なのでしょうか? 誰かを「裏切り者」とすることで、社会は何を実現しようとしているのでしょうか?
 今回は、「裏切り」という言葉をめぐって、私たちの心や社会のあり方に深くメスを入れてみたいと思います。


新聞にインタビュー記事が掲載されました。

 今年1月の「晤語の哲学」の際に、中國新聞から取材を受けましたが、そのときのインタビューの記事が、2月13日(土)の中國新聞に掲載されました。著作権の関係がありますので、ここでは紙面を紹介できませんが、ご興味のある方は、図書館等に行かれたときに、ご確認いただければと思います。
 ちなみに、記事は、「人文学の挑戦」というタイトルで、山口や岡山での哲学カフェの紹介と、川瀬のインタビュー記事で構成されています。インタビューでは、人文学や哲学カフェの意義について語っています。

2016年2月12日金曜日

3月の開催日について

 前回、2月7日は「自由」というテーマでしたが、単純なようでいて、難しかったですね。シンプルなだけに、いろいろな捉え方ができて、話し合いの食い違いも多かったように感じました。でも、「自由」というシンプルなテーマがそれだけ多様な側面と深さを持っているということ自体、「自由」についてじっくりと考えてみたからこそ、分かったことだと言えるでしょう。
 さて、3月は以下の日程で開催します。まだ、テーマは決めていませんが、決まり次第、改めてご連絡します。3月は土曜日開催です。


日時:3月5日(土) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)

2016年1月27日水曜日

2月の「晤語の哲学」のご案内

 前回の「晤語の哲学」は、予想されたほど天気も荒れず、無事に、楽しく開催することができました。参加者も多く、楽しい中にも、真剣なムードで、あっと言う間の二時間でした。
 今回は中国新聞社と島根大学学生プレス研究会から、「人文学のあり方」というテーマをめぐって、取材を受けました。それぞれどんな記事に仕上がるのか、楽しみです。記事になったら、また、このブログで紹介することにいたします。

 さて、2月の「晤語の哲学」のテーマを決めました。日程等も含め、再度、ご案内いたします。次回は日曜開催ですので、お間違えのないように。


日時:2月7日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
テーマ:「自由って何?」
参加費:無料
参加方法:当日、現地に集合。申し込み不要。
問い合せ先:0852-32-6284(直通) 島根大学教育学部 川瀬研究室
        kawase@edu.shimane-u.ac.jp

テーマについて:
 今回のテーマは「自由」。あえてオーソドックスなテーマに挑戦です。
 基本的に、「自由」が問題になりうるのは、私たちの行動が社会(多くの他者)に関わるからだと言えるでしょう。本当に誰にも迷惑をかけない行為なら、誰でもが自由に行えるはずです。でも、「社会」というのは、同じ時間を過ごしている人たちばかりを指すのではありません。社会には歴史があり、伝統があります。そこから、私たちは、他者に対する迷惑とは関係なく、過去から伝わる伝統に則った行為を強いられますし、それに背くことに抵抗感を感じます。つまり、私たちの行為は、社会、他者、過去などに縛られていると言えるでしょう。
 ならば、心の内面についてはどうでしょうか。外に対して行動するのではなく、心の中で何かを思っているだけなら、社会や他者に迷惑をかけることはありませんし、伝統に背くこともありません。でも、本当に、私たちは「内面の自由」を維持することができるのでしょうか。しばしば私たちの〈好み〉は外からの影響によって変わります。誰でもが、みんなが「好き」と言うものを自然と「好き」になってしまっているように思います。私たちは、自分の心の内面においてさえ、必ずしも自由ではないのかもしれません。
 では、こんなに制限だらけの私たちにとって、「自由」とは何を意味しているのでしょうか。私たちの「自由」はいったいどこにあるのでしょうか。

2016年1月23日土曜日

本日の「晤語の哲学」は予定通り開催します。

 本日の「晤語の哲学」は予定通り開催することといたします。
 しかし、今日の午後から明日にかけて、徐々に荒れた天気になる予報が出ていますので、参加を予定されている方は、安全に十分ご配慮いただいた上でご参加ください。
 

2016年1月21日木曜日

23日の「晤語の哲学」について

 次回の「晤語の哲学」は、明後日の23日(土)に予定されていますが、天気予報によりますと、23日の松江地区は、雪または雨という荒れた天気が予想されています。
 そこで、23日に開催するかどうかは、当日の天気を確認した上で、このブログ上でご連絡したいと思います。当日の10時くらいまでには決定したいと思いますので、ご参加予定の方は、ブログを確認していただきますよう、お願いいたします。

2016年1月10日日曜日

二月は日曜日開催です。

 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。本年が、みなさまにとってよい年になることを祈念しております。

 さて、一月の「晤語の哲学」はまだ二週間ほど先ですが、二月の「晤語の哲学」を二月の第一日曜日に開催することになりましたので、先に、その日程だけお知らせしてます。

日時:2月7日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)

なお、テーマはまだ決めていませんので、決まり次第、またお知らせいたします。

 以前にも書きましたように、二月から、可能な限り、隔月で土日交代の開催にしたいと考えています。土曜に都合のつかない方は、ぜひ日曜の月にご参加ください。