ちなみに、「晤語(ごご)」とは「相対してうちとけて語ること」という意味です。

2019年3月2日土曜日

宣伝!

 哲学カフェ「晤語の哲学」の主催者の一人である川瀬が、このたび、新著を出版しましたので、お知らせ(宣伝)いたします。

 タイトルは、『生の現象学とは何か──ミシェル・アンリと木村敏のクロスオーバー』(法政大学出版局、2019年)です。

 一応、「生の現象学」への入門書として書きました。(「生の現象学」って何? と思われるでしょうが、そうした問いに答えるのがこの本だと思ってください。)
 とかく抽象的で、難解になりがちな哲学の議論ですが、分かりやすく叙述し、また、具体例もたくさん用いて、一般の方や学生さん(哲学以外の専門の方も含めて)でも、それなりに理解していただけるように書いたつもりです。
 ただし、単なる概説書でなく、専門の哲学研究者が読んでも、それなりに「読み応え」のあるものを書きたいと思っていましたので、そのような著書になるように努力しました。
 しかし、はたして、それが成功しているかどうかは、読者のみなさんの判断にお任せするよりありません。



法政大学出版局の紹介ページ
http://www.h-up.com/books/isbn978-4-588-15100-2.html


なお、ついでに、以前の著書と翻訳書も紹介させていただきます。
(ただし、こちらは、それなりに専門的な内容になっています。)

『経験のアルケオロジー──現象学と生命の哲学』(勁草書房、2010年)
勁草書房のページ
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b245378.html

『ミシェル・アンリ──生の現象学入門」(勁草書房、2012年)
勁草書房のページ
http://www.keisoshobo.co.jp/book/b103689.html

2019年2月27日水曜日

3月の日程&来年度の予定

 哲学カフェ「晤語の哲学」の3月の日程が決まりましたので、お知らせします。

日時:3月21日(木・祝) 14時〜16時

場所は、いつものように、島根大学松江キャンパスの学生市民交流ハウスFLATです。

 テーマの希望は常時受け付けています。右の「参加申込/問い合せ」フォームから希望のテーマをお送りください。
 次回のテーマは、決定次第、お知らせいたします。

 また、参加の申し込みも、右の「参加申込/問い合せ」フォームからお願いいたします。

 なお、来年度の予定についてもご連絡しておきます。
 「晤語の哲学」の主催者の一人である島根大学の川瀬雅也は、来年度から、関西の大学に転任することになりました。ただ、来年度いっぱいは、およそ月に1、2回のペースで、島根大学でも授業を担当する予定です。
 そこで、来年度の「晤語の哲学」は隔月で開催したいと思っています。(ただし、現時点では、今後の状況がはっきりとは見通せませんので、これは一応の「努力目標」とさせてください。)
 したがって、次々回の「晤語の哲学」は5月に開催できればと思っています。
 ご理解のほど、よろしくお願いいたします。

2019年2月17日日曜日

2月の「晤語の哲学」のご報告


 2月の「晤語の哲学」は、参加者7名、主催者2名の9名での開催でした。今回のテーマは「甘えって何?」。今月も対話の一端を紹介しましょう。
 前半で「甘え」という言葉についてのいろいろなイメージについて話し合ううち、「甘え」というものは、「受け入れられたり–受け入れられなかったり」、あるいは「許されたり–許されなかったり」するものだという、「甘え」の一般的性質が浮かび上がってきました。そこで、「甘える側」と「甘えを受け入れる/入れない側(甘えの受け皿)」とを分けて考えてみることにしました。
 「甘えの受け皿」については、それを四つに分けて考える案が出されました。世間(社会)、友人(同志)、家族(特に母)、そして自分自身です。
 他方、「甘える側」については、甘えることで何を(実現)しようとしているのか、と考えてみました。それに対しては(特に家族や身内に対する甘えが念頭にあったと思いますが)、「根本的欲求を満たしている」、「エネルギー(力)を得ている」、「帰るべき場に立ち戻っている」などの意見が出されました。人が甘えられる場というのは、自分を肯定してもらえる場、無条件に受け入れてもらえる場だろうということから、人には、そうした場に身を置くことで、安心できたり、生きる力を得られたりするのではないか、と考えました。
 次に考えてみたのは、「甘えの受け皿」と「甘える側」の関係です。「甘え」に「情緒的甘え」と「物質的甘え」を区別する案が出され(両者は厳密には分けられない、という案も出ましたが)、それらの甘えが、どんな条件で受け入れられ、また、受け入れられないのか、あるいは、これらの「甘え」と、「自立」や「責任」の関係はどうなっているのか、などについて意見が交わされました。
 また、最近の社会は、教育からビジネスに至るまで、いたるところで「かゆいところに手が届く」サービスが尽くされていて、それがかえって、受け手を「甘え」させることにつながっている、という意見もありました。それが当たり前になると、どんな場合でも、子供が勉強できないのは先生のせい、客の不満は売り手のせい、ということになってしまいます。実際、最近の社会では、そんな状況も見られるような・・・。
 要は、「甘え」の程度、頃合い、ということなのでしょうが、実は、その微妙なバランスがとても難しいのでしょうね。

2019年2月7日木曜日

2月の哲学カフェのご案内

2月の哲学カフェ「晤語の哲学」のご案内です。
 以下の要領で行いますので、参加ご希望の方は、右の「参加申込/問い合せ」フォームから申し込みをお願いします。

日時:2月16日(土) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
   (以下のキャンパスマップをご参照ください。
    https://www.shimane-u.ac.jp/campus_maps/map_matsue.html)
テーマ:「甘えって何?」
ファシリテータ:川瀬雅也(島根大学教授)

次回のテーマ「甘え」です。
いろいろな方面から考えられそうですね。

2019年1月14日月曜日

1月の「晤語の哲学」のご報告

 今回のテーマは「まじめって何?」 参加者11名、主催者2名の13名で、二時間にわたり対話を行いました。今回も、その一部を紹介しましょう。
 まず、「まじめ(真面目)」という言葉が、本来、「真剣な態度」というポジティブな意味であるのに、ひとに「まじめだね」と言われると嫌な思いをするなど、しばしばネガティブに理解されてしまうという点に着目しました。どうやら、「まじめ」には辞書的な意味と日常的な意味の二つがあるようです。
 「まじめ」の日常的な意味は「融通がきかない」「おもしろみがない」「きまじめ」といった意味でしょうが、では、どうして辞書的にはポジティブな意味である「まじめ」が、ネガティブに理解されてしまうのでしょうか。
 対話では、外国語との比較から、もしかしたら、これは日本文化の特徴なのではないか推測してみました。日本文化には個人よりも集団を重視する傾向があります。そうした中で、「まじめ」の意味が、「ある個人がどれだけ真剣な態度か」ではなく、「いかに集団のルールや形式を守っているか」に転じてきたのかもしれません。日本社会では、「自分にとってどういう意義があるか」ではなく、「ルールだから、周りに合わせなければならないから」という理由でなされる行為が「まじめ」な行為だとして評価される傾向にあるのではなかいか、と考えてみました。
 参加者の多くが、こうした「日本的まじめ」に対してはあまり良いこととは感じていないようで、「誰に対するまじめなのか」ということをよく考えるべきだとの意見が出ました。
 もし、辞書的な意味でのまじめ(真剣な態度)を「自己の要求に対するまじめ」と理解するなら、日本的まじめは「社会や集団の要求に対するまじめ」だと言えるかもしれません。日本社会には、統一性、協調性を要求する傾向があり、そうした社会の要求に応える態度が「まじめ」だと評価されるのであって、日本的まじめは、「自分に対するまじめ」ではなく、「社会に対するまじめ」だと言えるでしょう。
 しかし、最初に話題になったように、私たちはしばしば、「(日本的な意味で)まじめだね」と言われると嫌な気持ちになります。これは、私たちのうちに、統一性、協調性を要求する社会の傾向に対する抵抗感があるからなのかもしれません。「自分は全体のうちに埋没したくない」「自分の個性を発揮したい」という欲求が、「(日本的な意味で)まじめだね」と言われることに対する嫌悪感として現れてきている、そんなふうに考えることもできるでしょう。
 対話では、これ以外にも、「まじめ」をめぐっていろいろな意見、考えが出されました。「まじめ」の意味なんて、誰でも知っている当たり前のことだけど、こうして改めてじっくり考えてみると、思いもよらなかった「まじめ」の多様な側面に気づかされるものです。

2019年1月10日木曜日

2月の日程について

哲学カフェ「晤語の哲学」の2月の日程が決まりましたのでご連絡します。
 
 2月16日(土) 14時〜16時

場所は、いつものように、島根大学松江キャンパス 学生市民交流ハウスFLAT です。

なお、1月の晤語の哲学は次の日曜日、13日です。
参加希望の方は、右のフォームから申し込みをお願いします。

2019年1月7日月曜日

1月の哲学カフェのご案内

明けましておめでとうございます。
本年も哲学カフェ「晤語の哲学」をよろしくお願いいたします。

さて、1月の「晤語の哲学」のご案内です。
 以下の要領で行いますので、参加ご希望の方は、右の「参加申込/問い合せ」フォームから申し込みをお願いします。

日時:1月13日(日) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
   (以下のキャンパスマップをご参照ください。
    https://www.shimane-u.ac.jp/campus_maps/map_matsue.html)
テーマ:「まじめって何?」
ファシリテータ:川瀬雅也(島根大学教授)