ちなみに、「晤語(ごご)」とは「相対してうちとけて語ること」という意味です。

2019年12月17日火曜日

12月の晤語の哲学のご報告

 まず、今回の「晤語の哲学」にお申し込み・お問い合わせいただいた方に、お詫びしなければなりません。ブログのメールシステムがうまく機能せず、フォームからメールをお送りいただいたのに、私のところにメールが届いておらず、返信することができませんでした。申し訳ありませんでした。
 原因はいまだ分かりませんので、とりあえず、今後、お申し込み・お問い合わせについては、直接、下記のメールアドレスにお送りいただきますよう、お願いいたします。(参加申込/問い合せフォームは削除しました。)

参加申込/問い合せ:my901c@gmail.com

 さて、それでは12月の晤語の哲学の内容について、その一端をご紹介しましょう。
 今回は、参加者7名、主催者2名の計9名での開催でした。テーマは「地域」。もちろん、「意地域社会」といったような意味での「地域」です。ほとんどの参加者が、はじめ、このテーマについて「何を考えたらいいのか分からない」という状態でしたが、二時間の対話を終えたときには、みなさん、地域というテーマの背後にこんなに深く広い問題が潜んでいたのかと感心しておられました。
 近年、世の中では、地域との結びつきを重視する傾向が見られるなか、今回の参加者のみなさんは、比較的、「地域」というものに否定的なイメージを持つ人が多かったようです。理由は、「自治会が面倒」という意見から、地域への執着のうちに「冒険を嫌う安定志向」や「排他的な意識」の現れが感じられるから、という意見まで、いろいろありました。
 いっぽう、一昔前は、人々の暮らしが地域なしでは成り立たなかったはずであり、地域抜きに個人の暮らしを考えることができなかったと思われます。それに比べると、現代の日本人の暮らしは地域から切り離されていると言えますが、その理由は、人々の暮らし方(特に住宅や建物のあり方)のうちにあるのではないか、という意見が出されました。住宅が個々の家族を、さらには、個人の生活を仕切るように設計されることで、人々の意識が閉鎖的になり、「地域との結びつき」を厭わしく思ったり、他者との関わりを避ける傾向が生まれてきたのではないか、ということでした。
 では逆に、最近の「地域」重視の傾向はどう説明されるのでしょうか。ある参加者は、最近の地域重視の傾向は東日本大震災がきっかけだったのではないかと言っていました。確かに、そうした面はあるように感じられます。あのような大きな震災は、まさに人々の暮らしを根底からひっくり返します。もちろん、震災など起こって欲しくはありませんが、しかし同時に、あのような、現在の人間の生活を根底からひっくり返すような出来事が、人々に、人間が「生きること」、とりわけ「共に生きること」にとって真に大事なものに気づかせてくれるということはあるかもしれません。もし震災をきっかけに「地域」が見直される機運が高まったならば、それは、震災という不幸が、現代人が忘れていた「共に生きること」の意味を私たちに思い出させてくれたからなのかもしれません。
 どうやら、人の心の中には「つながりたい」と「独立したい」という二つの欲求が混在しているように思われます。地域との関わりという問題は、こうした人々の心の奥にある深い欲求と直結した問題であるように思えてきました。

2019年12月4日水曜日

次回のテーマについて

 次回のテーマを決定しましたので、お知らせします。
 次回のテーマは「地域って何?」です。
 テーマを含めて、再度、次回の開催要領を記しておきます。

日時:12月14日(土) 14時~16時
場所:島根大学 学生市民交流ハウス FLAT
   (島根大学松江キャンパス正門進んで左手)
   (以下のキャンパスマップをご参照ください。
    https://www.shimane-u.ac.jp/campus_maps/map_matsue.html)
テーマ:「地域って何?」
ファシリテータ:川瀬雅也(島根大学・神戸女学院大学教授)

 参加希望の方は、右の「参加申込/問い合せ」フォームからお申し込みください。